Ⅲ:兄の誕生日に:広瀬醇子(小林正一妹)
お兄さん、何処かで生きているとしたら、八月十八日六十一回目のお誕生日おめでとう。 母も「今日はあの子(正一)の誕生日や。」とポツリと一言いいました。
一年前(五十八年八月十八日)の今日は、アメリカで大勢の教授の方々と、ケーキ作りやお料理が得意であったお姉さんの手料理も加え、楽しいパーティが開かれた事でしょうに。 それから半月ともたたない九月一日には、神ならぬ身の知る由もない大韓航空○○七便に急きょ乗り合せる事になり、撃墜されたと報じられましたが、遺体は勿論、遺品、真相、何一つとして手掛りはなく、一年近くになりましたが、もしやもしやと諦めきれずにいます。
五十九年八月十八日、あなたのお誕生日、偶然朝日新聞朝刊に『大韓航空機事故の真相明らかに』(私が投稿したもの)が掲載されました。お兄さんお姉さん、私達は今何もして上げる事が出来ません。二人共天国にいるのでしたら、この日の朝刊をせめてもの手向の花とし御めい福を祈ります。(一九八四年八月十八日記)
