Ⅳー15:私だけが感じたこと:武本由香利(武本富子長女・潔典姉)
六月二十四日の遺族の集まりで、ある人が「・・・・・・それに、私にも四人の『家族”というものがあるので、遺族会の仕事にしょっちゅう参加することはできません。」と発言しました。もっともだと思います。
しかし、私は、そのときとてもうらやましいと思いました。くやしいとも思いました。
なぜなら、昨年の九月一日、皆が同時に「大韓航空機事故」という苦しいマラソン大会のスタートをきったのに、この人は、その『家族”に支えられながら、もう、かなりゴールの近くを走っているように私にはみえたからです。
私は、一生、苦しみながら走り続けることでしょう。