Ⅰー7:手紙:武本富子
おばさま、お手紙とお写真ありがとうございました。
お人柄そのままのおやさしいお手紙、何度も読ませていただきました。母が病室で宝物のように大切にして見ていた写真と同じものを、今日自分のものとして見ることが出来、本当にうれしく、心から厚くお礼申しあげます。
母の一番幸せな、健やかな少女時代・・・。向学心に燃えていた?勝気そうな母の姿。母らしい大好きな写真です。
母の死からもうすぐ一ヶ月ですね。 七日毎にお線香をあげにいっていますが、まだ母が二階にいるような気がして仕方がありません。
失った時、人は何かを与えられると本で読んだことがありますが、手術、再入院、意識がなくなってからも、がんばっていた母の姿から、生命の存在、意味というものを教えられたような気がいたします。間近かに母の死が追ってることを知り、限られた時間の中にいて、つらい日々でしたが、一番近いところから、母を見守ることが出来、幸せでした。あめ理科にいる由香利からの手紙に「色々思い出すと悲しくなっちゃうけれど、
たくさんのおばあちゃんの思い出が、これからの生活に安らぎをあたえてくれることを信じています。」と書いてありました。本当に、たくさんの思い出の中に、母は生きていると思います。
おばさま、どうぞ、お身体に気を付けて、母の分も長生きして下さいますように、心からお祈り申し上げます。
またお会い出来ます日を心待ちいたしております。
三月二日
富子
※※キク叔母様