Ⅰー2:詩:蔡洙明
1. いのち と きぼう
生きることはすばらしい
だれもが いのちをもっている
そして だれもがきぼうとゆめをもっている
今 どこかでしあわせがまっている
子どもは しあわせとゆめを
おっかけていて
おとなは しあわせな気分で 手をそだてる
そして 命はふっときえていく
だれだって いずれは死ぬ
そのことをかくごして生きれば
ぼんやりと くだらないことを考えていると
ああ もったいないことをしてしまった
せっかく こうして生きているのに
と なると思う
人はなぜ生まれて何十年もすると
死ぬのだろう
死んだ自分じしんのいしきは
どこにいってしまうのだろうか
ぼくは 人は死ぬと いしきはみなさまった
ばしょにいって 今まで生きていた間の
はんせいをして また 子となって
育つと思う
でも これはありえないことだ
だから もう生きるチャンスはないかも
だから みんなはしょう来のゆめをつかもう
と ひっしのはずだ
つらいこと 悲しいことは
みんな あるはず
早く大人になりたい
大人は自由だから
一九八一年十一月二十日 (五年)
2. 目
ぼくに目があるから歩ける
目があるから今こうして書くことができる
人間うまくできている
目はどうしてつやつやしているのかな
でもずっとぼくの目はあいていない
夜しばらく目はとじる
そしてまわりを見るかわりにうその世界を見る
その世界は 目で見るのか
心が見るのか ぼくはしらない
でもぼくの目は ダイヤモンドより大切
なにをくれようと目は わたせない
3. 手
きのうバパとあくしゅをした
力がある
ぼくの手をしっかりにぎった
ぼくが生まれる前から この手ではたらいてくれた
この手は おしたりひいたり いろいろなことをした
ぼくをもちあげることもできる
ぼくのために手はうごく
うれしいな
ぼくのためにうごくとは
4. けしつぶうた
〇テントウムシ はずかしい こんなにほくろがあるから
〇アイスクリーム あついのは にがて
〇えんびつ 一生 体をすりへらされる
〇カニ 考えている かんたんにまえへ歩くほうほうを
〇じゃがいも ぼくは なんで へこんでいるところが多いのか