1984年6月24日 / 最終更新日時 : 2024年8月18日 yamaguchi 遺族会文集(一) Ⅴ:編集にあたって あの不幸な事件の発生以来六ヶ月を経過しようという本年二月、在京遺族を中心とした話し合いの中から、遺族会内で文集を作ろうという話がもちあがった。 その目的としては、 一、各遺族の思いを交換し、意志の疎通・相互理解の一助と […]
1984年6月24日 / 最終更新日時 : 2024年8月18日 yamaguchi 遺族会文集(一) Ⅳ-14:遺児を守して:白石 茂(山口三喜雄義父) 白石 茂(山口三喜雄義父) 木枯しに老の背向けて幼な孫を 抱きて腕に力こもりぬ 這ひよりてジーッと見つめる幼な孫に 長生きせんと我胸熱し 誰の血を受け継ぎたるや幼な孫は 道交う人に笑顔見せつつ 肩車シッカと握 […]
1984年6月24日 / 最終更新日時 : 2024年8月18日 yamaguchi 遺族会文集(一) Ⅳ-13:天国の息子への手紙:羽場由美子(羽場弘樹母) 羽場由美子(羽場弘樹母) 弘樹元気ですか。ママは元気ですから安心して下さい。四月だというのに今朝は又雪がちらちらしてきました。きっと天国から皆がお手紙をくれたのね。ありがとう。 天国ではやわらかい日の光に包まれ、暖か […]
1984年6月24日 / 最終更新日時 : 2024年8月18日 yamaguchi 遺族会文集(一) Ⅳ-12:個人としての心情:中沢トリ (中沢建志母) 中沢トリ (中沢建志母) あの世界中を驚かせた九月一日の事件以来、もう六ヶ月も過ぎてしまいました。あまりにも大きな、考えられない事件であっても、今はもう社会の片隅に或は忘れ去られようとしている。 我々遺族にとっては愛 […]
1984年6月24日 / 最終更新日時 : 2024年8月18日 yamaguchi 遺族会文集(一) Ⅳ-11:泣きね入りは出来ません:飯野けさみ (田中ケイ子母) 飯野けさみ (田中ケイ子母) ごめん下さいませ。あのきびしかった寒さもようやくうすらぎ日中はやっと春のような季節となって参りました。私、山梨に住む田中ケイ子の母でございますが役員の皆様には毎日本当に御苦労様でございます […]
1984年6月24日 / 最終更新日時 : 2024年8月18日 yamaguchi 遺族会文集(一) Ⅳ-10:命の重さを:飯野フジ子(田中ケイ子妹) 飯野フジ子(田中ケイ子妹) あの信じがたい悪夢のような出来事から、早や半年余り過ぎようとしています。私は亡くなった田中ケイ子の妹です。私達は三人姉妹で、ケイ子は真中でした。父は私達が小さい頃亡くなり、私達は母親一人で育 […]
1984年6月24日 / 最終更新日時 : 2024年8月18日 yamaguchi 遺族会文集(一) Ⅳ-9:妻と子に捧げるレクイエム(一):武本昌三 (武本富子夫・潔典父) 武本昌三 (武本富子夫・潔典父) あの日、昨年の八月三十一日の夕方、ノース・カロライナ州ローリーのアパートで、私は、娘の由香利(ゆかり)と二人だけの、夕食のテーブルについていた。 前夜のごはんの残りに、ロースト・チキ […]
1984年6月24日 / 最終更新日時 : 2024年8月18日 yamaguchi 遺族会文集(一) Ⅳ-8:姉を偲んで:新沼晃子(スティーブンス浩子妹) 新沼晃子(スティーブンス浩子妹) 九月一日、一年振りに姉に会える日だった。カレンダーの数字を一つ一つ×の字で消して楽しみにしていた日。今、思えば、何故か昨日までとはうってかわって小雨の降る日だった。確かにそれはその日の […]
1984年6月24日 / 最終更新日時 : 2024年8月18日 yamaguchi 遺族会文集(一) Ⅳ-7:写真と一緒に:池田泰子 (スティーブンス浩子母) 池田泰子 (スティーブンス浩子母) あの日あの時突然此の様なむごい事が起こり、唯残念で残念で、かなしく可哀相でなりません。一年ぶりの帰国、「一日も早く帰って式の準備を手伝いたい」、又「結婚式で外国帰りの姉がいると話題に […]
1984年6月24日 / 最終更新日時 : 2024年8月18日 yamaguchi 遺族会文集(一) Ⅳ-6:返して下さい:蔡勝錫 (蔡洙明父) 蔡勝錫 (蔡洙明父) 大韓航空機はわが家のすべてを奪い去ってしまった。長い長い冬が過ぎ、やっと訪れてきた春のぬくもりがいっぱいに満ちている北海道小樽港。待ちに待ったサハリンからの船が接岸した。甲板に飛び上がると船の中か […]